Sanseido Dictionary
なりけり
なり ◦けり (連語 )〔断定の助動詞 「なり 」の連用形 「なり 」に過去の助動詞 「けり 」の付いたもの 〕① 過去の事柄に関する断定を表す 。…であった 。「おほん葬 (はぶり )の夜 ,その宮の隣 ―◦ける男 ,御葬見むとて 」〈伊勢物語 39 〉「もとの木立 ,山のたたずまひおもしろき所 ―◦けるを 」〈源氏物語 桐壺 〉② (多く文末に用いて )詠嘆の意を込めて ,断定の意を表す 。はじめて気がついたことについて言う 。…であったのだなあ 。「よそにのみあはれとぞみし梅の花あかぬ色かは折りて ―◦けり 」〈古今和歌集 春上 〉「あなむざんや ,蘇武がほまれの跡 ―◦けり 」〈平家物語 2 〉