Sanseido Dictionary
にして
にして (連語 )〔断定の助動詞 「なり 」の連用形 「に 」にサ変動詞 「する 」の連用形 「し 」と接続助詞 「て 」の付いたもの 〕上のことをはっきりと言い定め ,さらに次の事に言い及ぶのに用いられる 。…で 。…であって 。…であって ,しかも 。「西塔の法師に ,…豪雲といふ者あり 。悪僧 ―学匠なり 」〈源平盛衰記 4 〉「月日は百代の過客 ―,行かふ年も又旅人なり 」〈奥の細道 〉〔現代語でも ,文章語的な言い方として用いることがある 〕
にして
にして (連語 )〔格助詞 「に 」にサ変動詞 「する 」の連用形 「し 」と接続助詞 「て 」の付いたもの 。全体で一語の助詞のように用いられる 〕場所または時を表す 。…において 。…で 。「旅の途上 ―死す 」「三〇歳 ―人生を悟る 」「家 ―見れど飽かぬを草枕旅にも妻とあるがともしさ 」〈万葉集 634 〉「清和天皇九歳 ―文徳天皇の御禅をうけさせ給ふ 」〈平家物語 1 〉〔現代語でもやや文章語的な言い方として用いることがある 〕