Sanseido Dictionary
のに
のに 〔接続助詞 「に 」の前に準体助詞 「の 」が挿入されてできたもの 。近世以降の語 〕活用語の連体形に接続する 。形容動詞型活用の場合 ,終止形に接続することもある 。一 (接助 )① 既定の逆接条件を表す 。意味内容の対立する二つの事柄を ,意外 不服の気持ちをこめてつなぐ 。「昔は静かだった ―,今は自動車の洪水だ 」「一生懸命勉強した ―,だれもほめてくれない 」「もうすっかり丈夫な (だ )―,旅行を許してくれない 」また ,「というのに 」「いいのに 」の形で慣用的に用いられることもある 。「正月だという ―,晴れ着も作れない 」「よせばいい ―,無理するからよ 」② 逆接的な意味がほとんどなく ,ただ二つの事柄をつらねて言い表す場合に用いられることもある 。「併しお前は上品だ ―肌目が細かいから ,汗なんぞをおかきではないね 」〈人情本 春色英対暖語 〉二 (終助 )〔 1 における ,前件に対する後件が省略されたもの 〕① 意外な結果に対する ,恨み 不服の気持ちを表す 。「欲しいと言えば ,買ってあげた ―」「ああ ,せっかく学校が休みな ―なあ 」② 相手の非を責め ,なじる気持ちを表す 。「知りませんって言えばいい ―」「以前からのお知り合いでいらっしゃった ―ねえ 」
のに
のに (連語 )〔準体助詞 「の 」に格助詞 「に 」が付いたもの 〕① …のものとして 。「衣装などもこういう折 ―ふさわしいものではなかった 」② …である場合に 。…している際に 。「この暑い ―,よく上着など着ていられるものだ 」「この雪の降る ―,ずっと歩いて来たんですって 」