Sanseido Dictionary
まで
まで (副助 )体言またはそれに準ずるもの ,活用語の連体形 ,助詞などに接続する 。① 場所や時間などに関して ,動作 作用が至り及ぶ限度 到達点を示す 。「東京からホノルル ―飛行機で行く 」「この事は後世 ―語り伝えられるであろう 」「天飛ぶや鳥にもがもや都 ―送りまをして飛び帰るもの 」〈万葉集 876 〉② 動作 作用の至り及ぶ程度を表す 。ほど 。「あく ―実験を続ける 」「からだがへばって動けなくなる ―頑張るつもりだ 」「秋や来る露やまがふと思ふ ―あるは涙の降るにぞありける 」〈伊勢物語 16 〉③ 事態の及ぶ範囲がある限界にまで達することを表す 。さえ 。「巷 (ちまた )の風 ―寒く感じる 」「子供に ―笑われる 」「あやしの法師ばら ―喜びあへり 」〈源氏物語 賢木 〉④ それ以上には及ばず ,それに限られる意を表す 。…にすぎない 。だけ 。「合格したのは運がよかった ―だ 」「改めて言う ―もないが ,これは危険な仕事だ 」「我は使 ―でこそあれ ,罪のないと云ふ事は我は知らぬ者ぢやぞ 」〈蒙求抄 7 〉⑤ 文末にあって ,終助詞的に用いられ ,意味を強め確認する気持ちを表す 。中世後期以降の用法 。「とりあえず御礼の言葉 ―」「これは念のため言っておく ―」「ああ ,ほんにどこでやら落してのけた 。誰ぞ拾 (ひろ )たか知らん ―」〈浄瑠璃 心中天網島 中 〉〔上代東国方言ではカ変動詞には終止形に付く 。「難波道を行きて来 (く )―と我妹子 (わぎもこ )が付けし紐 (ひも )が緒 (お )絶えにけるかも 」〈万葉集 4404 〉〕 →までに →までも