Sanseido Dictionary
までも
までも (連語 )〔副助詞 「まで 」に係助詞 「も 」の付いたもの 〕① 下に打ち消しの語を伴って ,それには及ばないという意を表す 。当然の事態であることについていう 。「彼のことはおっしゃる ―なく ,皆よく存じています 」「こんな事はわざわざ書く ―ないことだが 」「はかばかしき事は片端も学び知り侍らねば ,尋ね申す ―なし 」〈徒然草 135 〉② 活用語の連体形に付き ,接続助詞のように用いられて ,逆接の仮定条件を表す 。…にしても 。打ち消しの語を伴う場合 。「うそとは言わない ―,きわめて疑わしい 」「月を見て荒れたる宿にながむとは見に来ぬ ―誰に告げよと 」〈和泉式部日記 〉打ち消しの語を伴わない場合 。近世江戸語以降の用法 。「仮令 (たとい )遅くなつて旦那に????られる ―,是を見ないでは帰られない 」〈人情本 いろは文庫 〉③ 事態の至り及ぶ限界を示す 。「も 」によって 「まで 」の意味が強められる 。「後瀬山後も逢はむと思へこそ死ぬべきものを今日 ―生けれ 」〈万葉集 739 〉「さりぬべき物やあると ,いづく ―求め給へ 」〈徒然草 215 〉〔 ③ が本来の用法 〕