Sanseido Dictionary
上る
か る 【上 る 】(動 ラ 四 )日本音楽で ,音高を標準よりも高めにする 。多くは管楽器 ,特に尺八でいう 。 ↔める
上る
のぼ る 0 【上る ・登る ・昇る 】(動 ラ 五 [四 ])❶ 意図的に上に行く 。① 意図的に上の方へ移動する 。「あがる 」と比べて ,途中の経過点に注意が向けられている 。《登 ・上 》 ↔くだる 。 「柿の木に ―って柿を取る 」「丘に ―ってあたりを眺める 」「壇上に ―って挨拶 (あいさつ )する 」② 川の上流の方へ行く 。さかのぼる 。《上 》 ↔くだる 。 「鮭 (さけ )が川を ―ってくる 」「長江を汽船で ―る 」③ 地方から都へ行く 。上京する 。上洛する 。《上 》 ↔くだる 。 「都に ―る 」④ 皇居や神社の社殿など ,高貴な建物にはいる 。昇殿する 。あがる 。《上 》「宮中に ―る 」「はや ―らせ給へ 」〈枕草子 104 〉❷ 自然に上の方に行く 。① 太陽 月などが空に高く現れる 。《昇 ・上 》 ↔落ちる 。 「日が ―る 」② 煙などが上の方へ移動する 。《昇 ・上 》「煙突から煙が ―る 」「天にも ―る心地 」「気球で二〇〇〇メートルの高さまで ―る 」③ 人が結果として高い地位につく 。《昇 》「高い位に ―る 」「最後は右大臣の位にまで ―った 」④ 数量が ,結果としてある大きな値になる 。達する 。《上 》「総額は二〇億円に ―るものとみられる 」「連休の人出は五千万人に ―った 」⑤ 興奮する 。逆上する 。《上 》「頭に血が ―ってしまって ,何が何だかよくわからなかった 」「足の気の ―りたる心地す 」〈源氏物語 夕霧 〉⑥ 人々に取り上げられて表に出る 。《上 》話題 議題になる 。「地震のことが話題に ―る 」「規約改正が議題に ―る 」「口の端 (は )に ―る 」(「食膳にのぼる 」などの形で )用意されて食べ物として供される 。「松茸 (まつたけ )が食膳に ―る 」⑦ 時間を昔にさかのぼる 。 →上りての世 〔「のぼす 」に対する自動詞 〕 →上がる (補説欄 ) 可能 のぼれる 表記 のぼる 《上 ・登 ・昇 》「上る 」は “上方へ行く 。上京する 。とりあげられる ”の意 。「坂を上る 」「川を上る 」「都に上る 」「話題に上る 」「数億に上る損害 」「頭に血が上る 」「登る 」は “高い所へ移動する ”の意 。「山に登る 」「壇上に登る 」「石段を登る 」「昇る 」は “太陽 月 位などが高く上がる ”の意 。「日が昇る 」「煙突から煙が昇る 」「高い位に昇る 」「天にも昇る心地 」〔いずれも上方へ移動する ,という点で共通だが ,「登る 」には一歩一歩地を踏みしめて上がる意が込められ ,「昇る 」には一気に移動するというニュアンスがある 〕