Sanseido Dictionary
仮令
けりょう ―りやう 【仮 令 】〔漢語 「仮令 」を呉音で音読した語 〕一 (副 )① 考えてみたところ 。大体 。おおよそ 。「参加者 ,―五万騎に及ぶべし 」〈吾妻鏡 治承四 〉② たとえば 。「―,木樵 草刈り 炭焼き 汐汲みなどの風情にも 」〈風姿花伝 〉③ さいわいに 。偶然 。「―わしがここにゐたればこそ 」〈歌舞伎 韓人漢文手管始 〉二 (名 形動 )文 ナリ かりそめのこと 。いいかげんなこと 。また ,そのさま 。「今では地頭の名はあれどそれは ―」〈浄瑠璃 聖徳太子絵伝記 〉
仮令
たとい たとひ 【〈仮令 〉・縦 ・〈縦令 〉】(副 )① 「とも 」「ども 」「せよ 」などと呼応して ,逆接仮定条件を表す 。 →たとえ (仮令 ) に同じ 。「―時うつり ,ことさり ,たのしびかなしびゆきかふとも ,このうたのもじあるをや 」〈古今和歌集 仮名序 〉② 「ば 」などと呼応して ,順接仮定条件を表す 。もし 。かりに 。「―梵王の請を受けて一乗を説かば ,損有りて益無からむといふことをいふ 」〈法華義疏 長保点 〉③ かりに想像してみると 。たとえば 。「―壮士の臂項の屈申する如く 」〈弥勒上生経賛 平安初期点 〉〔古くは漢文訓読に多く用いられた 〕
仮令
たとえ たとへ 0 2 【〈仮令 〉・縦 】(副 )〔「たとい 」の転か 〕「ても 」「とも 」「せよ 」などと呼応して ,逆接仮定条件を表す 。ある重要な事態が生じた場合でも ,物事はそれには影響されずに進展するという気持ちを表す語 。たとい 。「―わが身がどうなろうとも ,助け出さなければ 」「―行ったとしても ,会えないだろう 」