Sanseido Dictionary
仮名
かな 0 【《仮名 》・〈仮字 〉】〔「かりな 」の転じた 「かんな 」の撥音 「ん 」の無表記から 。漢字を真名 (まな )と呼ぶのに対し ,仮の文字の意 〕日本で発生 発達した音節文字 。平仮名 片仮名の総称 。日本語の音節を表すのに ,初めは漢字の音訓をそのまま用いた 万葉仮名 が ,それが簡略化されて片仮名が生まれ ,一方草書体から草仮名を経て平仮名ができた 。仮名文字 。和字 。国字 。 ↔真名 (まな )。 〔表音文字としてみた場合は万葉仮名を含めてもいうことがある 〕 →漢字
仮名
かめい 0 【仮名 】実名を秘して仮につけた名前 。「本文中の人名はすべて ―を用いた 」 →実名 →本名
仮名
かりな 0 【仮名 】① 仮につけた名 。かめい 。変名 。② →かな (仮名 ) に同じ 。
仮名
かんな 【仮 名 】〔「かりな 」の転 〕 →かな (仮名 ) に同じ 。「―は ,しどけなき文字こそ ,まじるめれ 」〈源氏物語 梅枝 〉
仮名
けみょう ―みやう 0 【仮名 】① 仮の名 。かめい 。 ↔実名 (じつみよう )。 「―をさへ用ゐぬれば 」〈即興詩人 鷗外 〉② 元服の際に烏帽子 (えぼし )親に付けてもらった名 。よび名 。俗称 。通称 。「その ―実名分明ならず 」〈平家物語 11 〉③ 〘仏 〙 すべてのものには本来実体がないのに ,この世では仮に存在するものとされていること 。また ,そのような事物に与えられた名称 。