Sanseido Dictionary
侘びる
わ びる 2 0 【侘 びる 】(動 バ 上一 )《文 バ上二 わ ぶ 》① 思いどおりにならなくて落胆する 。嘆く 。悲観する 。「五条わたりなりける女をえ得ずなりにけることと ,―びたりける 」〈伊勢物語 26 〉② 困惑する 。迷惑がる 。「この人の供なる者どもは ―びぬにやあらむ 」〈枕草子 179 〉③ 淋しく思う 。心細がる 。「須磨の浦に藻塩たれつつ ―ぶとこたへよ 」〈古今和歌集 雑下 〉④ 失意の生活を送る 。貧しく暮らす 。「時を失ひ世に ―び 」〈古今和歌集 仮名序 〉⑤ 困り切って嘆願する 。「ただゆるし給はらん ,と ―びければ 」〈宇治拾遺物語 11 〉⑥ 世俗を離れて静かに暮らす 。閑静な暮らしを楽しむ 。「この須磨の浦に心あらん人は ,わざとも ―びてこそ住むべけれ 」〈謡曲 松風 〉⑦ 動詞の連用形の下に付いて ,それをし続ける気力がなくなる意を表す 。…しかねる 。「待ち ―びる 」表記 わびる 《侘 ・詫 》「侘びる 」は “気力がなくなる 。…あぐねる ”の意 。現代語では多く動詞の連用形の下に付く 。「待ち侘びる 」「思い侘びる 」「詫びる 」は “あやまる 。謝罪する ”の意 。「失礼を詫びる 」「無沙汰を詫びる 」