傾く

かたぶ く 3 【傾 く 】一 （動 カ 四 ）〔「かたむく 」の古い言い方 〕① 斜めになる 。「海は ―きて陸地をひたせり 」〈方丈記 〉② 首をかしげて ，思案する 。「なに事ぞと ―きをり 」〈竹取物語 〉③ 太陽や月が ，西に沈もうとする 。「二上山に月 ―きぬ 」〈万葉集 3955 〉④ 勢いが衰える 。「わがよはひこそ ―きにけれ 」〈続後撰和歌集 雑中 〉⑤ 考えや気持ちがある方向に片寄ったり ，引かれたりする 。「この君 ，禅の宗旨に ―かせ給ひて 」〈太平記 4 〉⑥ 非難する 。「この門の名をぞ人 ―きける 」〈愚管抄 6 〉二 （動 カ 下二 ） →かたぶける

傾く

かたむ く 3 【傾く 】〔「かたぶく 」の転 。「片向く 」の意 〕一 （動 カ 五 [四 ]）① 斜めになる 。かしぐ 。「船が左に ―く 」② 考えや気持ちがある方面に引きつけられる 。「芸術家に心が ―く 」「賛成に ―く 」③ そういう傾向をもつ 。かたよる 。「理論だけに ―く 」「文弱に ―く 」④ 勢いが衰える 。「国が ―く 」「財政が ―く 」⑤ 太陽や月が西に沈もうとする 。「日が西に ―く 」二 （動 カ 下二 ） →かたむける

傾く

かぶ く 【傾 く 】（動 カ 四 ）〔「かぶ 」は頭の意 〕① 傾 （かたむ ）く 。頭を傾ける 。「八束穂の ―きわたりて 」〈六帖詠草 〉② 人目につくような変わった身なりや行動をする 。「―きたるなりばかりを好み 」〈御伽草子 猫の草紙 〉③ 歌舞伎を演ずる 。「いざや ―かん 」〈御伽草子 歌舞伎 〉