Sanseido Dictionary
出づ
い ず いづ 1 【出 づ 】(動 ダ 下二 )① 内から外へ移動する 。でる 。「都 ―でて今日みかの原いづみ川 」〈古今和歌集 羇旅 〉② 開けた場所に行く 。でる 。「浜に ―でて海原見れば 」〈万葉集 4360 〉③ 所属していた家 団体などから去る 。離れる 。でる 。「家をも ―で世をものがれたりせば 」〈平家物語 1 〉④ 人の前に姿を現す 。「翁 ―でて曰く ,…」〈竹取物語 〉⑤ 中の物が自然に移動して外に現れる 。でる 。「足柄の刀比の河内に ―づる湯の 」〈万葉集 3368 〉⑥ 境界をこえる 。でる 。「この度 ,生死の境を ―でなんと 」〈宇治拾遺物語 1 〉⑦ 前や外に突き出る 。でっぱる 。「雄島が磯は ,地つづきて海に ―でたる島なり 」〈奥の細道 〉⑧ 登場する 。出現する 。「兵衛佐殿 ,流人でおはすれども …もし世に ―でてたづねらるる事もこそあれ 」〈平家物語 12 〉「春の初めに水なん多く ―づる 」〈枕草子 38 〉⑨ 山陰 雲などにさえぎられていた太陽 月などが現れる 。でる 。「遅く ―づる月にもあるかな足引きの山のあなたも惜しむべらなり 」〈古今和歌集 雑上 〉⑩ 表面に現れる 。できる 。「身に瘡 (かさ )も一つ二つ ―でたり 」〈伊勢物語 96 〉⑪ 発生する 。起こる 。でる 。「音もいと二なう ―づる琴ども 」〈源氏物語 明石 〉⑫ 生まれる 。産出する 。でる 。「この四家よりあまたのさまざまの国王 ,大臣 公卿 ,多く ―で給ひて 」〈大鏡 道長 〉⑬ 由来する 。原因がある 。「アルレゴリイと勧懲主眼の小説との差別 (けじめ )を知らぬに ―でたることにて 」〈小説神髄 逍遥 〉⑭ 内面のものを表面化させる 。「言 (こと )に ―でて言はばゆゆしみ 」〈万葉集 4008 〉〔自動詞はのちに下一段活用となり ,「い 」が脱落して 「でる 」となった 〕
出づ
い づ 【出づ 】(動 ダ 下二 ) →いず (出 )