Sanseido Dictionary
去る
さ る 1 【去る ・避 る 】(動 ラ 五 [四 ])一 自動詞 ① 今までいた場所 地位を離れる 。「故郷を ―るのは忍びない 」「三〇年勤めた会社を ―る 」「社長の職を ―る 」「台風が ―ったあとの青空 」② ある時期が過ぎる 。過ぎ去る 。「夏が ―って秋になる 」「私の青春はもう ―ってしまった 」③ ある状態 事態がなくなる 。「危険は ―った 」「一難 ―ってまた一難 」「痛みが ―らない 」④ へだたる 。空間的に ,ある場所から遠くへだたっている 。距離がある 。「都を ―ること二百里 」「理想を ―ることはなはだしい 」時間的に ,ある時点から過去へさかのぼる 。「今を ―ること三百年 」 →去る (連体 ) ⑤ (サ変動詞の連用形に付いて )すっかり …する 。「無視し ―る 」⑥ (季節や時を表す語について )ある季節 時期になる 。「秋 ―らば黄葉 (もみち )の時に春 ―らば花の盛りに 」〈万葉集 3993 〉 →夕さる ⑦ 進行する 。変化する 。「たとひ時移り事 ―り 」〈古今和歌集 仮名序 〉二 他動詞 ① 遠ざける 。しりぞける 。なくなす 。「俗念を ―る 」「迷いを ―る 」② 妻を離縁する 。「妻を ―る 」「―られるのは女の恥だのつて 」〈化銀杏 鏡花 〉③ 避ける 。よける 。「道も ―りあへず花ぞ散りける 」〈古今和歌集 春 〉④ 辞退する 。ことわる 。「いとことに ―り聞え給へるを 」〈源氏物語 紅葉賀 〉⑤ 連歌や連句で ,句をへだてる 。 →去らず 慣用 世を ―
去る
さる 1 【去る 】(連体 )〔動詞 「去る 」の連体形から 〕時などを表す語に付いて ,以前の ,過ぎ去った ,の意を表す 。 ↔来る 。 「新任の大使は ―二日に着任した 」