Sanseido Dictionary
叩く
たた く 2 【叩 く ・敲 く 】(動 カ 五 [四 ])① 手や手に持った固い物で ,物や体に強い衝撃を与える 。打つ 。目的は ,破壊 ,音を出す ,攻撃 ,注意を喚起 ,確認 ,その他いろいろある 。「クルミを金づちで ―いて割る 」「太鼓を ―く 」「手を ―く 」「相手の頭を ―く 」「お母さんの肩を ―く 」「スイカを軽く ―いてみる 」「奥 (おき )には平家ふなばたを ―いて感じたり 」〈平家物語 11 〉② 「たたき ① 」にする 。「アジを ―く 」③ ① のような動作をする 。「パソコンのキーを ―く 」「大つぶの雨が屋根を ―く音がする 」④ 人の意見を問う 。たずね聞く 。「専門家の意見を ―く 」「僕が瀬川君の意中を ―いて見たのです 」〈破戒 藤村 〉⑤ 門や戸を叩いて ,来意を告げる 。また ,訪れて教えを請う 。「師の門を ―く 」「南の隅の間より ,格子 ―きののしりて入りぬ 」〈源氏物語 空蟬 〉⑥ 攻撃する 。悪口を言う 。手ひどく批判する 。「徹底的に ―く 」「マスコミにさんざん ―かれた 」⑦ 値を安くさせる 。値切る 。「値を ―いて買う 」⑧ (多く 「…口をたたく 」の形で )言う 。しゃべる 。「無駄口を ―く 」「大口を ―く 」「陰口を ―く 」⑨ (鳴き声が戸を叩く音に似ることから )クイナが鳴く 。「おしなべて ―く水鶏 (くいな )に驚かば上 (うわ )の空なる月もこそ入れ 」〈源氏物語 澪標 〉可能 たたける 慣用 肩を ―尻を ―底を ―太鼓を ―
叩く
はた く 2 【叩 く 】(動 カ 五 [四 ])① たたく 。うつ 。「頰 (ほお )を ―く 」② たたいて払う 。払って除く 。「塵を ―く 」「煙管 (キセル )を ―く 」〈書記官 眉山 〉③ 財布などを逆さにして ,中の金を全部出す 。財産を使いつくす 。「有り金を ―く 」「何やかやで全く財布の底を ―き 」〈怪談牡丹灯籠 円朝 〉④ 相撲で ,相手の首や肩を上からたたいて前に落とす 。⑤ 搗 (つ )いて粉にする 。「枯れたる樒 (しきみ )を抹香に ―かせて 」〈浮世草子 日本新永代蔵 〉⑥ 失敗する 。損失を出す 。「―きさうな芝居なり 」〈黄表紙 江戸生艶気樺焼 〉可能 はたける