Sanseido Dictionary
名残
なごり 3 0 【《名残 》】〔「なごり (余波 )」と同源 〕① 物事が過ぎ去ったあとになお残る ,それを思い起こさせる気配やしるし 。余韻や余情 。また ,影響 。「熱戦の ―を残すグラウンド 」「昔の ―をとどめる古城 」「夏の ―」② 別れたあとに面影などが残って ,なお心引かれること 。また ,別れの際の心残り 。「―を惜しむ 」「―が尽きない 」③ 物事の最後 。終わり 。「―の夜 」「この世の ―」「その日の ―なれば限りの風 (ふう )なり 」〈花鏡 〉④ 去った人や故人を思い出すよすがとなるものや事 。故人の形見や子孫 。「おぼし出づばかりの ―とどめたる身も ,いとたけく 」〈源氏物語 澪標 〉「さてかの維時が ―は 」〈増鏡 新島守 〉⑤ 病後などの身体に残る影響 。「いと重くわづらひ給ひつれど ,ことなる ―残らず 」〈源氏物語 夕顔 〉⑥ 残り 。残余 。「弥生中の六日なれば花はいまだ ―あり 」〈平家物語 3 〉⑦ 「名残の折 」の略 。