Sanseido Dictionary
垂れる
しだ れる 3 【垂 れる 】(動 ラ 下一 )《文 ラ下二 しだ る 》〔四段動詞 「しだる 」の下二段化 〕長くたれ下がる 。「柳の枝が ―れる 」「山ふかみ岩に ―るる水溜めむ 」〈山家集 雑 〉
垂れる
た れる 【垂れる 】一 2 (動 ラ 下一 )《文 ラ下二 た る 》一 自動詞 ① 水滴がしたたり落ちる 。「水がぽたぽた ―れる 」「鼻水が ―れそうになる 」② 一端を止められた紐 (ひも )布 紙などの他端が下にさがる 。「長い髪が後ろに ―れている 」「耳の ―れた犬 」二 他動詞 ① 小便 大便などを排泄 (はいせつ )することをやや卑しめていう語 。「糞 (くそ )を ―れる 」「屁 (へ )を ―れる 」② 目下の者に教訓や模範を示す 。「人々に範 (はん )を ―れる 」「教訓を ―れる 」③ 神仏が恵みを人に与える 。「仏が慈悲を ―れる 」「神が恩寵 (おんちよう )を ―れる 」④ あとまで残す 。あとにとどめる 。「名声を後に ―れる 」⑤ 下にたらす 。「釣り糸を ―れる 」「スダレヲ ―ルル 」〈日葡辞書 〉「目より血の涙を ―れて 」〈宇治拾遺物語 4 〉⑥ 首や糸などを下にさげる 。「深く首 (こうべ )を ―れる 」「川面に枝を ―れた柳 」⑦ 髪をそる 。「カミヲ ―ルル 」〈日葡辞書 〉「額 (ひたい )―れうと思うて 」〈浄瑠璃 心中重井筒 中 〉二 (接尾 )〔「ったれる 」とも 〕体言に付いて ,そのような性質 状態に対する嫌悪の気持ちを表す 。「あまっ ―れる 」〔本来は四段活用の 「垂る 」に対する他動詞 。四段活用の 「垂る 」が衰退し ,平安末期頃他動詞の 「垂らす 」が生じて以降 ,下二段活用の 「垂る 」が自動詞としても用いられるようになった 〕