Sanseido Dictionary
夕顔
ゆうがお ゆふがほ 0 【夕顔 】① ウリ科のつる性一年草 。アフリカ アジアの熱帯地方原産 。茎は長く伸び ,葉は円心形 。雌雄同株 。夏の夕方 ,先が五裂した白色の花を開く 。果実は大形の円柱形あるいは扁球形で ,若いものは干瓢 (かんぴよう )の原料とし ,また食用 。熟果は器や置物に加工する 。黄昏草 (たそがれぐさ )。季 夏 「風呂沸いて ―の闇さだまりぬ 」中村汀女 ② ヨルガオの別名 。
夕顔
ゆうがお ゆふがほ 【夕顔 】① 源氏物語の巻名 。第四帖 。② 源氏物語の作中人物 。三位の中将の女 (むすめ )。玉鬘 (たまかずら )の母 。帚木 (ははきぎ )の巻で頭の中将の恋人常夏 (とこなつ )の女として登場 。のち光源氏と知り合い ,六条辺りの院に伴われた夜 ,物の怪 (け )に襲われて急死 。年一九歳 。③ 能の一 。世阿弥作か 。三番目物 。源氏物語に基づく 。都へ上った豊後 (ぶんご )国の僧が ,五条辺りで夕顔の上の跡を弔っていると ,その霊が現れ ,光源氏と契りを結んだ昔をしのんで舞い ,僧の回向 (えこう )を喜んで消える 。