Sanseido Dictionary
大口袴
おおくち ばかま おほ ― 5 【大口 袴 】裾口 (すそぐち )が広い袴 。① 束帯の際 ,表袴 (うえのはかま )の下に着用した下袴 。普通 ,紅の平絹 精好 (せいごう )の類で作られ ,赤大口ともいう 。老人は白を用いる 。② 武家が直垂 (ひたたれ )の袴の下につける下袴 。鎌倉末期から後ろを固い緯 (よこ )畝織で仕立てて後ろ腰を張らせ ,後ろ張り大口とも呼ぶ 。風流 (ふりゆう )には上の袴を略した 。③ 公家の子弟が半尻着用のときにつけた袴 。室町以降 ,前に固い緯畝織を用いて前を張らせ ,前張 (まえばり )(さいばり )大口とも呼ぶ 。④ 能装束の一 。腰のところを強く左右に張らせた袴 。