Sanseido Dictionary
大鎧
おおよろい おほよろひ 3 【大 鎧 】① 大形の鎧 。② 鎧の一形式 。腹巻などの簡略な鎧に対して大柄なところから ,大鎧と称し ,また ,正式な鎧の意で式正 (しきしよう )の鎧ともいう 。胴は ,前 左 後ろを一連として草摺 (くさずり )三間 (さんげん )を下げ ,右のすき間には鉄板に草摺一間を下げた脇楯 (わいだて )という防具をあてる 。平安時代 ,騎射戦闘用として成立 。胴全体を箱形裾開きとして馬上の動作に便じ ,弓を引くため ,胸 脇を広く開け 栴檀 (せんだん )の板 鳩尾 (きゆうび )の板という小板をあてる 。綿上 (わたがみ )には障子の板をたてる 。胴正面に弦走 (つるばしり )革を張り ,背中には逆板 (さかいた )をつける 。鎌倉中期以後 ,騎射戦の衰退とともに形式化し ,室町中期頃にはほとんど行われなくなった 。