Sanseido Dictionary
寄る
よそ る 【寄 る 】(動 ラ 四 )① よせる 。打ちよせられる 。「白波の ―る浜辺に別れなば 」〈万葉集 4379 〉② 心をよせているとうわさされる 。「粟島の逢はぬもの故我に ―る児ら 」〈万葉集 3167 〉③ 引きよせられる 。なびき従う 。「荒山も人し寄すれば ―るとぞいふ汝が心ゆめ 」〈万葉集 3305 〉
寄る
よ る 0 【寄る 】(動 ラ 五 [四 ])① ある場所や人に近づく 。「近くに ―ってよく見てご覧なさい 」「ストーブのそばに ―る 」② 現在の場所から離れて ,ある地点 方向に近づく 。比喩的にも用いる 。「もっと右側に ―りなさい 」「駅から少し東に ―った所に市役所がある 」③ ひとところに集まる 。「三人 ―れば文殊の知恵 」「―り集まる 」④ ある地点へ向かう途中で ,他の場所を訪れる 。立ち寄る 。「銀行へ ―ってからデパートへ行く 」⑤ (「年が寄る 」などの形で )高齢になる 。「名選手も ―る年波には勝てなかったようだ 」⑥ (「しわが寄る 」の形で )しわができる 。「目尻にしわが ―る 」⑦ 相撲で ,相手のまわしを持って相手を後退させる 。「一気に ,土俵ぎわまで ―る 」⑧ (「凭る 」「倚る 」とも書く )自分の体をある物にもたせかける 。「壁に ―りかかる 」「脇息に ―りおはす 」〈源氏物語 帚木 〉⑨ ある人に気持ちが引かれる 。なびく 。また ,ある人の意のままになる 。「心は妹 (いも )に ―りにしものを 」〈万葉集 3757 〉⑩ (「頼る 」とも書く )あてにして頼る 。「舟流したる心地して ―らむ方なく悲しきに 」〈古今和歌集 雑体 〉⑪ 味方となる 。「あなたに ―りて ,ことさらに負けさせむとしけるを 」〈枕草子 143 〉⑫ 神霊 物の怪 (け )などがとり付く 。乗り移る 。「病付きて …遂に失せにけり 。其の女の ―りたるにやとぞ 」〈今昔物語集 31 〉⑬ 社寺に寄進する 。「かかる所に庄など ―りぬれば ,別当なにくれなどいできて 」〈宇治拾遺物語 8 〉〔「寄せる 」に対する自動詞 〕可能 よれる