Sanseido Dictionary
小前
こさき 【小 前 ・小先 】殿上人 (てんじようびと )が通行するときの先駆の警蹕 (けいひつ )の声を短く引くこと 。「上達部 (かんだちめ )のさきども ,殿上人のは短ければ ,大前 (おおさき ),―とつけて聞きさわぐ 」〈枕草子 78 〉 →大前 (おおさき )
小前
こまえ ―まへ 1 【小前 】一 (名 )江戸時代 ,本百姓ではあるが特別の権利 家格をもたない百姓 。また ,小作人層をいう場合もある 。小前百姓 。 ↔大前 二 (名 形動ナリ )① 商売などを小規模に営む こと (さま )。また ,その商人 職人など 。「(田畑ハ )―なれども先祖より持伝へたる事なれば 」〈歌舞伎 勧善懲悪覗機関 〉② 小さいこと 。格や程度が低いこと 。また ,そのさま 。「村瀬は智者で ―な故 ,風流のない人ぢや 」〈胆大小心録 〉