Sanseido Dictionary
巻く
ま く 0 【巻く ・捲 く 】(動 カ 五 [四 ])一 他動詞 ① 物のまわりにひも状 帯状の物を回らせる 。からみつける 。「腕に包帯を ―く 」「首にマフラーを ―く 」「世の人なれば手に ―きかたし 」〈万葉集 729 〉② ひも状 帯状の物を ,一方の端が内側になるように ,ぐるぐる丸める 。「卒業証書を ―いて筒に入れる 」「毛糸を玉に ―く 」③ ぜんまいのねじを回転させて ,固く締まった状態にする 。「時計のねじを ―く 」④ それ自体の形状を円環形または螺旋 (らせん )形にする 。「とぐろを ―いた蛇 」「川の水が渦を ―いて流れる 」⑤ 物のまわりを取り囲む 。包囲する 。「霧に ―かれる 」「遠巻きに ―く 」「御所を ―きて火をかけてけり 」〈愚管抄 5 〉⑥ 登山で ,急な斜面や危険な所をさけて ,山腹を迂回して登る 。「滝を ―いて尾根に出る 」⑦ それ自体に取り付けた綱を引いて上げる 。巻き上げる 。特に江戸時代の大型の和船で ,轆轤 (ろくろ )に帆綱をからませて帆を上げる 。「イカリヲ ―ク 」〈和英語林集成 〉⑧ 数人 (個人の場合もある )で連歌 連句の一巻を付け進む 。「百韻を ―く 」⑨ →撒く 3 に同じ 。二 自動詞 ① 螺旋 (らせん )状になる 。渦状になる 。「頭のつむじが右に ―いている 」「流れやらでつたの細江に ―く水は 」〈聞書集 〉② 息がはずむ 。「イキガ ―ク 」〈日葡辞書 〉可能 まける 慣用 管を ―煙 (けむ )に ―舌を ―尻尾 (しつぽ )を ―塒 (とぐろ )を ―旗を ―長い物には巻かれろ