Sanseido Dictionary
忍ぶ
しの ぶ 2 0 【忍ぶ 】一 (動 バ 五 [四 ])① つらいことを我慢する 。こらえる 。「不便を ―ばねばならぬ 」「恥を ―んでお願いに来ました 」「耐え ―ぶ 」② 他人に知られないようにこっそりと何かをする 。「男がこっそり ―んで来る 」「人目を ―んで会いに行く 」「世を ―ぶ仮の姿 」「―び寄る 」「―び泣く 」可能 しのべる 二 (動 バ 上二 )① 気持ちを抑える 。こらえる 。現代語では ,「…するに ―びず ,…」「…するに ―びない 」という形でのみ使われる 。「思い出の品を捨てるに ―びず ,そのまましまいこむ 」 →しのびない ② 気持ちが外に表れそうになるのをじっとこらえる 。「我が背子が捻 (つ )みし手見つつ ―びかねつも 」〈万葉集 3940 〉③ 1 ② に同じ 。「世の中に ―ぶる恋のわびしきは逢ひてののちの逢はぬなりけり 」〈後撰和歌集 恋一 〉〔(1 )本来は上二段の語 。「しのぶ (偲 )」の補説参照 。(2 )動詞の 「忍ぶ 」は文章語的に用いる 。肉体的苦痛には使えず ,恥や不便についていう 。それに対して 「耐える 」は持続的な苦痛についていう 。また 「堪 (こら )える 」は肉体的 精神的な苦痛 痛み おかしさについていう 〕