Sanseido Dictionary
恐れる
おそ れる 3 【恐れる ・畏れる ・怖 れる ・懼 れる 】(動 ラ 下一 )《文 ラ下二 おそ る 》① 危害が及ぶことを心配してびくびくする 。危害を及ぼすような人や物と接することを避けたがる 。こわがる 。《恐 ・怖 ・懼 》「野獣は火を ―れる 」「相手が去年の優勝チームだからといって ―れるな 」「報復を ―れる 」「残りの船は風に ―るるか 」〈平家物語 11 〉② 良くないことが起きることを予想し ,そうならなければよいが ,と思う 。危惧 (きぐ )する 。《恐 ・懼 》「失敗を ―れていては進歩は望めない 」「資料の散逸を ―れる 」③ 神仏などを ,人為の及ばないものとして敬い ,身をつつしむ 。《恐 ・畏 》「神をも ―れぬ不逞 (ふてい )の輩 (やから )」④ 閉口する 。恐れ入る 。《恐 》「飲六さんの悪ふざけには ―れるねへ 」〈滑稽本 浮世風呂 2 〉〔上代は上二段か四段か不明だが ,平安初期は上二段活用が多い 。平安中期に下二段にも活用するようになり ,中世以降は下二段活用のみとなった 〕表記 おそれる 《恐 ・畏 》「恐れる 」は “恐ろしいと思う 。心配する ”の意 。「怖れる 」「懼れる 」とも書く 。「死を恐れる 」「報復を恐れる 」「失敗を恐れる 」「資料の散逸を恐れる 」「畏れる 」は “能力の及ばないものをおそれ敬う ”の意 。「恐れる 」とも書く 。「神をも畏れぬ振る舞い 」「後生畏るべし 」