Sanseido Dictionary
抜ける
ぬ ける 0 【抜ける 】(動 カ 下一 )《文 カ下二 ぬ く 》① 中にある物が外に出る 。中にはまり込んでいる物 ,生えている物が取れる 。脱落する 。「毛が ―ける 」「打った釘が ―けてしまう 」「人形の首が ―ける 」中に充満していた物が自然に外へ出る 。「タイヤの空気が ―ける 」中に含まれていた物が外へ出る 。「油気が ―ける 」「気の ―けたビール 」「ペンキの匂いがまだ ―けない 」人の気力 疲れ 習慣などがなくなる 。消える 。「全身の力が ―けてしまう 」「腰が ―ける 」「疲れが ―ける 」「朝寝のくせがまだ ―けない 」「言葉のなまりが ―ける 」構成要素の一部がなくなる 。脱漏する 。脱落する 。「名簿に私の名が ―けている 」「途中で一六ページ分 ―けている 」「説明が ―けている 」② 〔「脱ける 」とも書く 〕現在の状態から離れる 。所属していた組織を離れる 。離脱する 。「グループから ―ける 」自分の持ち場を一時的に離れる 。「忙しくて職場を ―けられない 」逃げ去る 。のがれ出る 。「ここにあつてはあしかりなんと思ひ給ひて ,足にまかせて ―け給ふ程に 」〈平治物語 中 古活字本 〉うまく言い訳をする 。言いのがれる 。「左様 (そう )―けてはいけぬ ,真実の処を話して聞かせよ 」〈にごりえ 一葉 〉③ 向こう側へ出る 。穴ができる 。「バケツの底が ―ける 」通り抜ける 。「人ごみを ―ける 」「この路地は ―けられません 」④ (魂 知恵などが抜ける ,の意で )注意力が散漫である 。知恵が不足している 。普通 ,「抜けた 」「抜けている 」の形で用いる 。「君もずいぶん ―けているなあ 」「ちょっと ―けた男 」⑤ 「ぬけるような 」「ぬけるように 」の形で ,すき通っているさまをいう 。「―けるような青空 」「―けるように白い肌 」⑥ 他人よりもすぐれる 。ひいでる 。「この分野では彼の業績が ―けている 」「少し人に ―けたりける御心と覚えける 」〈源氏物語 藤裏葉 〉〔「抜く 」に対する自動詞 〕慣用 灰汁 (あく )が ―気が ―間 (ま )が ―目から鼻へ ―