Sanseido Dictionary
振り
ふり 【振り ・風 】一 0 2 (名 )① 振ること 。振り方 。「バットの ―が鈍い 」② 動作の仕方 。様子 。また ,姿 容姿 。「知らない ―をする 」「腰附 ,肩附 ,歩く ―」〈歌行灯 鏡花 〉「天性 ―よく見事に生 (そだち )たる松のごとし 」〈耳塵集 〉③ 踊りのしぐさ 。また ,歌舞伎などで ,俳優の所作 。「―を付ける 」④ 料理屋 遊女屋などで ,紹介や予約のないこと 。「―の客 」⑤ 女物の和服の袖の ,袖付け止まりから袖下までの縫い合わせてない部分 。⑥ 方位や角度をずらすこと 。また ,ずれていること 。振れ 。「建ては建てたが ,ちつくり笠に ―がある 」〈浄瑠璃 一谷嫩軍記 〉⑦ 下帯 猿股などをつけてないこと 。「帯ひろ前の ―になつて居るやうな 」〈志都能石屋 〉⑧ 分担 負担させること 。「そんならなほしてそつちが ―だぞ 」〈洒落本 三人酩酊 〉⑨ 「振り売り 」の略 。「荻織る笠を市に ―する (羽笠 )」〈冬の日 〉⑩ 「振袖 」の略 。また ,「振袖新造 」の略 。「片町の ―を内へ呼び入 」〈浄瑠璃 夕霧阿波鳴渡 中 〉⑪ 「振り回し 」の略 。「借銀かさみ ,次第に ―につまり 」〈浮世草子 日本永代蔵 6 〉二 (接尾 )助数詞 。① 振る動作の回数を表すのに用いる 。「バットを一 ―二 ―してからバッター -ボックスに立つ 」② 刀剣を数えるのに用いる 。「太刀一 ―を贈る 」
振り
ぶり 【振り ・風 】名詞またはそれに準ずる語の下に付いて複合語をつくる 。① 状態 動作の仕方 あり方を表す 。「枝 ―」「勉強 ―」〔「歩きっぷり 」「男っぷり 」「飲みっぷり 」のように 「っぷり 」となることがある 〕② 数量を表す語に付いて ,分量がそれだけに相当することを表す 。「大 ―」「五軒 ―もある家 」〈鹿狩 独歩 〉③ 時間を表す語に付いて ,それだけの時間を経過して ,再び同じ状態になることを表す 。「五年 ―の帰郷 」「三日 ―の晴天 」④ 歌 和歌の曲調 調子を表す 。「万葉 ―」⑤ 古代歌謡 ,特に雅楽寮に伝わる歌曲の曲名を表す 。多く ,歌詞の冒頭の語に付ける 。「天田 (あまだ )―」〈古事記 下訓 〉