Sanseido Dictionary
擦る
こす る 2 【擦 る 】(動 ラ 五 [四 ])① 物に他の物を押し当てて何度も動かす 。摩擦する 。「背中をへちまで ―る 」「眠い目を ―りながら勉強する 」「冷えた手を ―って温める 」② 他の事にかこつけて皮肉をいう 。あてこする 。「如何 (どん )なに ―られても ,左程にも感じなかつたが 」〈其面影 四迷 〉可能 こすれる
擦る
す る 1 【擦る ・摩 る ・磨 る ・擂 る 】一 (動 ラ 五 [四 ])① 物を他の物に触れさせたまま ,力を入れて動かす 。こする 。《擦 ・摩 》「マッチを ―る 」「何かで ―った傷がついている 」② 物の面に他の物を押しつけて ,くり返し動かす 。こする 。《磨 ・擦 ・擂 》「やすりで ―る 」「墨を ―る 」「垢 (あか )を ―る 」「足 ―り叫び伏し仰ぎ 」〈万葉集 904 〉〔「手をする 」などは ,多く 「摺る 」と書く 〕③ 鉢や臼の中で ,つぶして細かくする 。《擂 》「ごまを ―る 」「味噌を ―る 」④ 賭け事などに金 財産を使い果たす 。《擦 ・摩 》「競馬で ―った 」⑤ 貝などを漆で塗り込んで ,磨き出す 。「丸ぼや ―つたる鞍置いてぞ乗つたりける 」〈平家物語 11 〉可能 すれる 二 (動 ラ 下二 ) →すれる 表記 する 《擦 ・磨 ・擂 ・刷 ・摺 》「擦る 」は “こする ”の意 。「摩る 」とも書く 。「マッチを擦る 」「転倒して膝を擦る 」「磨る 」は “こする 。みがく ”の意 。仮名書きが普通 。「墨を磨る 」「やすりで磨る 」「擂る 」は “鉢 (はち )や臼 (うす )で細かく砕く ”の意 。仮名書きが普通 。「ごまを擂る 」「味噌を擂る 」「刷る 」は “印刷する ”の意 。「新聞を刷る 」「輪転機で刷る 」「摺る 」は “押しつけて ,こする ”の意 。「刷る 」とも書く 。「版画を摺る 」
擦る
なす る 2 0 【擦 る 】(動 ラ 五 [四 ])① ぬりつける 。すりつける 。「手の汚れをズボンに ―る 」「石炭の灰を解いて面へ ―るといふことだ 」〈西洋道中膝栗毛 魯文 〉② 罪や責任を他人に負わせる 。「罪を小岩へ ―らうとは以ての外の心得違ひ 」〈人情本 恩愛二葉艸 〉