Sanseido Dictionary
放つ
はが つ 【放 つ 】(動 タ 四 )無理にひきはなす 。
放つ
はな つ 2 【放つ 】(動 タ 五 [四 ])① つながれたりとじこめられたりしていた動物を自由にする 。解きはなつ 。はなす 。「鳥を籠 (かご )から ―つ 」「この野に虫ども ―たせ給ひて 」〈源氏物語 鈴虫 〉② 使命をおびた人を送り出す 。「刺客を ―つ 」「スパイを ―つ 」③ それ自体が光 音 匂いなどを発する 。出す 。「強い光を ―つ物体 」「悪臭を ―つごみ箱 」「声を ―って泣く 」④ 矢や弾丸を発射する 。「矢を ―つ 」⑤ (「火を放つ 」の形で )放火する 。火をつける 。「城に火を ―つ 」「野原に火を ―って草を焼く 」⑥ 視線を別の方向へ向ける 。目を離す 。「然れども彼は猶目を ―たず 」〈金色夜叉 紅葉 〉⑦ 自分の手もとに置くのをやめる 。遠くへやる 。手放す 。「御衣はまことに身 ―たず ,かたはらに置い給へり 」〈源氏物語 須磨 〉「(姫君ヲ )―ち聞えむことは ,なほいとあはれにおぼゆれど 」〈源氏物語 薄雲 〉⑧ 人を ,当人の意志に反して ,遠くの土地へ行かせる 。遠くへやる 。「俊蔭は烈しき波風におぼほれ ,知らぬ国に ―たれしかど 」〈源氏物語 絵合 〉追放する 。「おほやけに罪せられ給ひて筑紫へ ―たれおはせしに 」〈浜松中納言物語 3 〉⑨ 職務から追いやる 。解任する 。「幕府は瓦解して世襲の扶持に ―たれ 」〈腕くらべ 荷風 〉「北面を ―たれにけり 」〈徒然草 94 〉⑩ ある人との関係を疎遠にする 。「なほ近くてを 。な ―ち給ひそ 」〈源氏物語 夕霧 〉⑪ 壊す 。くずす 。「畔 (あ )を ―つ 」〈日本書紀 神代上訓注 〉⑫ 戸を開け放す 。「格子 ―ちなどすれば 」〈蜻蛉日記 下 〉⑬ 除外する 。別にする 。「小侍従と弁と ―ちて ,また知る人侍らじ 」〈源氏物語 橋姫 〉〔「離れる 」に対する他動詞 〕可能 はなてる 慣用 異彩を ―虎を千里の野に ―光を ―