Sanseido Dictionary
朝顔
あさがお ―がほ 2 【朝顔 】① ヒルガオ科のつる性の一年草 。つるは左巻き 。多くは三裂した葉をつける 。夏から初秋にかけての早朝 ,漏斗形の花を開き ,昼前にしぼむ 。熱帯アジア原産 。日本には奈良時代に薬草として中国から伝来 。江戸後期に観賞植物として急速に広まり ,多くの改良品種が作り出された 。種子を牽牛子 (けんごし )といい ,下剤とする 。牽牛花 。季 秋 「―に釣瓶とられて貰ひ水 」千代 ② 漏斗形のもの 。特に ,男の小便用の便器 。③ 襲 (かさね )の色目の名 。表 裏ともに縹 (はなだ )または空色 。老人が秋に用いる 。④ キキョウの異名 。新撰字鏡 ⑤ ムクゲの異名 。名義抄 ⑥ 朝の寝起きの顔 。「野分のあしたの御 ―は心にかかりて恋しきを 」〈源氏物語 藤袴 〉⑦ 焼き麩 (ふ )をいう近世女性語 。「ぼたもちを萩の花 ,麩焼 (ふのやき )を ―」〈評判記 色道大鏡 〉⑧ 源氏物語の巻名 。第二〇帖 。