Sanseido Dictionary
浄瑠璃
じょうるり じやう ― 0 【浄瑠璃 】語り物の一 。一六世紀に ,三河地方で盲人音楽家の語り物として発生し ,琵琶や扇拍子を伴奏として語られていたが ,やがて矢作 (やはぎ )の長者の娘浄瑠璃御前と牛若丸との恋物語を語る 「浄瑠璃姫物語 」(「十二段草子 」)が広く迎えられ ,同じ節回しで他の物語も語るようになり ,これを浄瑠璃と呼ぶようになった 。一七世紀初めから三味線を伴奏として人形芝居と結びつき ,人形浄瑠璃が起こり ,初め京都で ,のち三都に流行した 。初期には江戸の金平 (きんぴら )節 土佐節 外記節 ,京都の伊勢島節 角太夫節 加賀節 ,大坂の播磨節 文弥節などの古浄瑠璃が盛行した 。1684年竹本義太夫が大坂の竹本座で義太夫節を語り始め ,ここに浄瑠璃は義太夫節の異名ともなった 。のち豊後節やその系統の常磐津節 清元節などの歌舞伎浄瑠璃 ,また一中節 河東 (かとう )節 新内節など座敷で聞かせる唄浄瑠璃など諸浄瑠璃が派生した 。 →人形浄瑠璃