Sanseido Dictionary
浅ましい
あさまし い 4 【浅ましい 】(形 )《文 シク あさま し 》〔驚きあきれる意の動詞 「あさむ 」の形容詞形 〕一 人間らしくないありさまで情けない 。① (心 性質などが )いやしくて嘆かわしい 。さもしい 。「人のものを盗むとは ―い根性だ 」② (姿 外形などが )みじめで見るにたえない 。見苦しい 。「落ちぶれて ―い姿となる 」「―く瘁 (やつ )れたる面 (おもて )を矚 (まも )りて 」〈金色夜叉 紅葉 〉二 ① 事の意外に驚きあっけにとられるさまを表す 。思いがけないことだ 。驚くばかりだ 。あきれかえるばかりだ 。「かく ―しき空ごとにてありければ 」〈竹取物語 〉「あげおとりやと疑はしく思されつるを ,―しううつくしげさ添ひ給へり 」〈源氏物語 桐壺 〉② (「あさましくなる 」の形で )死ぬ 。「院の御悩み重くならせ給ひて ,八月六日いと ―しうならせ給ひぬ 」〈増鏡 藤衣 〉③ (連用形を副詞的に用いて )はなはだしく 。ひどく 。「むく犬の ―しく老いさらぼひて 」〈徒然草 152 〉〔 2 ① が原義で ,本来はよい場合にも悪い場合にも用いたが ,次第に悪い意で用いることが多くなった 。中世以降見える 「浅猿 」という当て字は ,この語が現代語と同様の ,否定的な感情を表す用法に変化していたことを示している 〕派生 ―が る (動 ラ 五 [四 ])―げ (形動 )―さ (名 )