Sanseido Dictionary
浮く
う く 0 【浮く 】一 (動 カ 五 [四 ])① 液体の中に沈んでいた物が上昇して ,液面に達する 。また ,物が沈まないで液面に留まっている 。「魚が ―いた 」「木は水に ―く 」② 物が地面などから離れて上昇し ,空中にある 。「体が宙に ―く 」「空に ―く雲 」③ 内部にあった物が表面に現れる 。「脂が顔に ―く 」④ しっかり固定せず ,ぐらぐらする 。「釘 (くぎ )が ―く 」「歯が ―く 」⑤ 基盤を失って ,遊離した存在となる 。「大衆から ―いた存在 」⑥ 心が晴れ晴れとする 。「―かない顔 」「気ガ ―ク 」〈和英語林集成 〉⑦ 軽薄である 。ふまじめである 。「―いた気持ちでは合格できない 」⑧ 予定より少ない費用 時間ですみ ,余りが出る 。「旅費が ―いた 」⑨ 根拠がなく ,事実から離れている 。「口にまかせて言ひちらすは ,やがて ―きたることと聞こゆ 」〈徒然草 73 〉〔動詞の 「浮く 」と 「浮かぶ 」を比べた場合 ,両者ともに水中 空気中にあって沈まずにいること ,あるいは基盤から離れて上へ移動することだが ,「浮かぶ 」は ,特に水面に表れて見えるようになるときに言う 。物の機能を言う 「石は浮かないが木は浮く 」というような表現では 「浮かぶ 」は使えない 〕可能 うける 二 (動 カ 下二 )① 水面 空中などに浮かばせる 。浮かせる 。「泊瀬の川に船 ―けて 」〈万葉集 79 〉「(燕ガ )尾 ―けてめぐるに 」〈竹取物語 〉② 表面にあらわす 。浮かべる 。「女君 ,涙を一目 ―けて 」〈源氏物語 須磨 〉慣用 宙に ―歯が ―熱に浮かされる