Sanseido Dictionary
無心
むしん 0 【無心 】一 (名 )スル ① 無生物や植物のように ,心をもたないこと 。「―の草木 」② 遠慮なく人に金品をねだること 。「親に金を ―する 」「―をいつて五両もらつたのを 」〈安愚楽鍋 魯文 〉③ 〘仏 〙 一切の妄念から解放された心 。 ↔有心 (うしん ) ④ 和歌 連歌で ,卑俗 滑稽さを求めたもの 。 ↔有心 。 「有心 ―歌合 」二 (名 形動 )文 ナリ ① 心にわだかまりのないこと 。雑念や欲心のないこと 。また ,そのさま 。「―の勝利 」「―に遊ぶ子供 」「―の境地 」「―な与吉は誘ひ出されるままにいつて畢 (しま )つた 」〈土 節 〉② 思慮 分別のないこと 。無神経なこと 。また ,そのさま 。「中将のいと実法の人にて率て来ぬ ,―なめりかし 」〈源氏物語 常夏 〉③ 情趣を解する心がないこと 。風流心のないこと 。また ,そのさま 。「人の遊びせむ所には ,草刈笛吹くばかりの心どもにて ,いと ―にて侍り 」〈宇津保物語 国譲上 〉