Sanseido Dictionary
然り
さ り 【然 り 】(動 ラ 変 )〔動詞 「あり 」に副詞 「さ 」が付いた 「さあり 」の転 〕そのとおりである 。そうである 。「『おい ,―り 。おい ,―り 』と ,うなづきて 」〈源氏物語 玉鬘 〉「いき通ふ所出できにけり ,―りけれどこの元の女 ,悪しと思へるけしきもなくて出しやりければ 」〈伊勢物語 23 〉〔似た意味の語として 「しかり 」があるが ,「しかり 」が主に漢文脈で用いられるのに対し ,「さり 」は和文脈で用いられる 〕 →さらず →さらん →さりとて →さりとは →さりとも →さる (連体 )
然り
しか り 2 【然 り 】(動 ラ 変 )〔「しかあり 」の転 〕そうである 。そのようである 。そのとおりである 。「人類の国家を造る ,故なくして ―るにあらず 」〈真善美日本人 雪嶺 〉「人皆か我 (あ )のみや ―る 」〈万葉集 892 〉〔現在 ,終止形を 「そうだ 」「そのとおり 」の意で ,感動詞的に使うことがある 。「『我我は立ち上がらねばならぬ 』『―り 』」〕