Sanseido Dictionary
然れば
されば 【然 れば 】〔動詞 「然 (さ )り 」の已然形に 「は 」の付いたもの 〕一 (接続 )① 上に述べたことを受け ,その帰結として下に述べる事柄が起こることを表す 。そうであるから 。だから 。「やがて極楽へ参りけり 。―心にだにもふかく念じつれば ,仏も見え給ふなりけり 」〈宇治拾遺物語 1 〉② 話題を転ずる時に用いる 。さて 。「才覚又ならぶ人なし 。―,その里に戦ひおこつて 」〈仮名草子 伊曽保物語 〉③ 意外であるという意をこめて用いる 。いったい 。そもそも 。「鎌倉へだにも入れられぬこそほいなけれ 。―こは何事ぞ 」〈平家物語 11 〉二 (感 )応答に用いる語 。さよう 。「『権三殿は御存じないか 』『―存じたとも申されず ,存ぜぬとも申されぬ 』」〈浄瑠璃 鑓の権三重帷子 上 〉
然れば
しかれば 【然 れば 】(接続 )〔「しかり 」の已然形 「しかれ 」に接続助詞 「ば 」の付いた語 。漢文訓読に用いられた語で ,古くは ,和文系の 「されば 」と対応した 〕① そうであるから 。それだから 。「命を堕さん事を悔いず ,―寂阿に於ては ,英時が城を枕にして討死すべし 」〈太平記 11 〉② 話題を変える時 ,話の冒頭に用いる 。ところで 。さて 。「―,胡国の軍 (いくさ ),強 (こお )うして従ふこと期 (ご )し難し 」〈謡曲 昭君 〉