Sanseido Dictionary
焼く
や く 0 【焼く 】一 (動 カ 五 [四 ])① 燃やして灰にする 。「蔵書を戦災で ―いた 」「春野 ―く野火と見るまで燃ゆる火を 」〈万葉集 230 〉② 火にあぶって熱をとおし ,食べられるようにする 。「餅 (もち )を ―く 」「魚を ―く 」③ 熱を加えて製品をつくる 。「窯 (かま )で茶碗を ―く 」「炭を ―く 」「パンを ―く 」④ 日光に当てて変色させる 。特に肌を黒くする 。「ハワイで ―く 」⑤ 熱 化学物質 放射線などによって皮膚を損傷させる 。「硫酸で ―く 」⑥ 写真で ,フィルムをもとに印画紙に画像を作り上げる 。焼きつける 。「写真を手札型で ―く 」⑦ 心を悩ませる 。特に ,恋に胸を焦がす 。「我が心 ―くも我なり 」〈万葉集 3271 〉⑧ (「妬く 」とも書く )嫉妬 (しつと )する 。悋気 (りんき )する 。「うわさ話を真 (ま )に受けて ―く 」「焼き餅を ―いている 」⑨ うれしがらせを言う 。おだてる 。「人をよく ―くとて野墓のるりと名に呼ばれて 」〈浮世草子 好色一代女 5 〉〔「焼ける 」に対する他動詞 〕可能 やける 二 (動 カ 下二 ) →やける 慣用 世話を ―手を ―表記 やく 《焼 ・妬 》「焼く 」は “火で物を燃す 。日光で肌を黒くする ”の意 。「魚を焼く 」「炭を焼く 」「肌を焼く 」「夫の世話を焼く 」「手を焼く 」「妬く 」は “嫉妬する ”の意 。仮名で書くことが多い 。「焼き餅を妬く 」「仲の良い二人を妬く 」