Sanseido Dictionary
用いる
もち いる もちゐる 3 0 【用いる 】(動 ア 上一 )文 ワ上一 〔「持ち率 (ゐ )る 」の意 〕① あることをするための道具 手段 材料として使う 。「運搬に車を ―いる 」「ローマ字を ―いて日本語を書き表す 」「ボディーにプラスチックを ―いたカメラ 」② 人の能力を評価してある職 地位につかせる 。登用する 。「重く ―いる 」「女はただ心ばせよりこそ世に ―ゐらるるものに侍りけれ 」〈源氏物語 乙女 〉③ (「意を用いる 」などの形で )心を働かせる 。「材質には十分意を ―いております 」「心を ―ゐる事少しきにして 」〈徒然草 211 〉④ 必要とする 。多く否定の形をとる 。「疑ふことを ―ゐない 」〈伊沢蘭軒 鷗外 〉⑤ 他人の意見をとり上げる 。尊重する 。「俊寛僧都は天性不信第一の人にて ,是を ―ゐず 」〈平家物語 2 〉〔古くはワ行上一段活用であったが ,中古中期以降 ,ワ行とハ行との混同が生じ ,「もちひる 」とも表記されるようにもなり ,ハ行上二段活用も生ずるようになった 。また ,中世にはヤ行上二段活用も生ずるに至った 〕 →もちう (用ふ ) →もちゆ (用ゆ )