Sanseido Dictionary
荒む
すさ む 0 【荒 む 】〔「すさぶ 」の転 〕一 (動 マ 五 [四 ])一 自動詞 ① 気持ちや生活態度が荒れる 。捨て鉢な気持ちになる 。「―んだ生活 」「心が ―む 」② 気持ちが荒れたり ,また努力を怠ったりした結果 ,芸の技量などが低下する 。「芸が ―む 」「筆が ―む 」「学問の ―み衰ふることなく 」〈舞姫 鷗外 〉③ 激しくなる 。勢いをます 。すさぶ 。現代語では多く ,他の動詞の連用形に付いて用いられる 。「風が吹き ―む 」「雨が降り ―む 」「外山の秋は風 ―むらむ 」〈新古今和歌集 秋下 〉④ 一つの事に熱中して ,他を顧みない 。ふける 。「楽シミニ ―ム 」〈和英語林集成 〉⑤ 気の向くままに物事をする 。「ひと日も波になど ,―み臥したるを 」〈狭衣物語 1 〉⑥ 勢いが尽きて雨や風がやむ 。「山里の雨降り ―む夕暮の空 」〈新古今和歌集 雑中 〉⑦ (人が )衰える 。「物などまゐり給へど ,あさましうはかなく ―みつつ 」〈狭衣物語 2 〉⑧ うち捨てる 。放棄する 。「篝火次第に数消えて ,所々に焼 ―めり 」〈太平記 8 〉二 他動詞 ① 心のままにもてあそぶ 。慰み興ずる 。「はかなく ―み給ふ吹きもの弾もの 」〈苔の衣 〉② 嫌って遠ざける 。「人ヲ ―ム 」〈日葡辞書 〉③ (自分の肉体を )苦しめる 。責める 。「身ヲ ―ム 」〈日葡辞書 〉二 (動 マ 下二 )① 心を寄せる 。「山高み人も ―めぬ桜花 」〈古今和歌集 春上 〉「頭中将の ―めぬ四の君などこそよしと聞きしか 」〈源氏物語 花宴 〉② (雨や風の勢いを )衰えさせる 。「ひまもなく降りも ―めぬ五月雨につくまの沼のみ草波寄る 」〈堀河院百首 〉③ 嫌って遠ざける 。うとんじる 。「むべ我をば ―めたり 」〈源氏物語 紅梅 〉