Sanseido Dictionary
被る
かがふ る 【被 る 】(動 ラ 四 )① 頭からかぶる 。「寒くしあれば麻衾 (ぶすま )引き ―り 」〈万葉集 892 〉② 承る 。こうむる 。特に ,命令を受ける 。「恐 (かしこ )きや命 ―り 」〈万葉集 4321 〉
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かぶ る 2 【被 る ・冠 る 】(動 ラ 五 [四 ])〔「かがふる 」が 「かうぶる 」を経て転じたもの 〕① 頭の上にのせる 。上にかけて覆う 。「帽子を ―る 」「布団を頭から ―って寝る 」② (水 粉などを )上から浴びる 。《被 》「水を ―る 」「波を ―る 」③ 身に受ける 。《被 》本来 ,他人が負うべき借金 罪などを身に負う 。「罪を ―る 」「泥を ―る 」恩恵など好ましいものを受ける 。こうむる 。「盛徳を ―らんとて 」〈宇津保物語 祭の使 〉④ 写真で ,フィルムや印画に ,画像とは関係なく薄黒いところができる 。⑤ 〔俗語 〕あることが重複する 。「話が ―る 」「キャラクターが ―る 」⑥ 〔終演になると観客が総立ちになり ,ほこりが立つので手拭いをかぶったことから 〕一日の芝居などが終わる 。終演になる 。はねる 。⑦ (寄席芸人仲間などの用語 )寄席などが ,大入り満員になる 。⑧ 〔「毛氈 (もうせん )を被る 」の意 〕失敗する 。しくじる 。「―つたら来やれと通な烏帽子親 」〈誹風柳多留 87 〉〔「かぶせる 」に対する自動詞 〕可能 かぶれる 慣用 仮面を ―猫を ―
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かむ る 2 【被 る ・冠 る 】(動 ラ 五 [四 ]) →かぶる に同じ 。「頭に手ぬぐいを ―る 」
被る
こうぶ る かうぶる 【被 る ・蒙 る 】(動 ラ 四 )〔「かがふる 」の転 〕① 頭にのせる 。かぶる 。また ,身につける 。「此の冠どもは …斎 (おがみ )の時に ―る所なり 」〈日本書紀 孝徳訓 〉② →こうむる (被 )1 に同じ 。「御徳をも ―り侍らむ 」〈源氏物語 行幸 〉③ →こうむる (被 )2 に同じ 。「天下に疵 (きず )を ―るものたえず 」〈平家物語 12 〉④ →こうむる (被 )3 に同じ 。「かみほとけの恵み ―れるに似たり 」〈土左日記 〉
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こうむ る かうむる 3 【被る ・蒙 る 】(動 ラ 五 [四 ])〔「こうぶる 」の転 〕① 他人から ,自分にとってためになる何かを与えられる 。「多大の恩恵を ―る 」「皆様のお陰を ―りまして …」② 自身の身によくない結果がもたらされる 。被害を受ける 。「損害を ―る 」「台風で大きな痛手を ―る 」「傷ヲ ―ル 」〈日葡辞書 〉③ 神仏や目上の者から与えられたものを受け入れる 。「天罰を ―る 」「お客様からおしかりを ―りました 」「洋行の官命を ―り 」〈舞姫 鷗外 〉慣用 御免を ―