Sanseido Dictionary
見たようだ
みた ◦ようだ ―やうだ 【見たようだ 】(連語 )〔動詞 「みる (見る )」に完了の助動詞 「た 」を添えた 「見た 」に比況の助動詞 「ようだ 」の付いたもの 。近世後期から明治期へかけての語 〕① 比べたとえていう意を表す 。「小説 ―◦やうな話があるといふのさ 」〈腕くらべ 荷風 〉「売薬屋の銅人形 ―◦やうに看板にされたばかりもつまらねえぢやあねえか 」〈滑稽本 浮世風呂 3 〉「百で買た馬か磁石 (ぎしやく )の剣を ―◦やうに横倒しに寝そべつ居て 」〈滑稽本 浮世風呂 2 〉② 例として示す意を表す 。「己れ ―◦やうな変な物が世間にも有るだらうかねえ 」〈わかれ道 一葉 〉「お前 ―◦やうにそう無暗に二郎の口車に乗つちやいけないよ 」〈行人 漱石 〉〔近世江戸語では 「を見たようだ 」の形で多く用いられたが ,のちに 「を 」を伴わずに体言に直接つづけて用いるようになった 。この語の転として ,明治中期以降 ,助動詞 「みたいだ 」が成立した 〕 →みるようだ (連語 ) →みたいだ (助動詞 )