Sanseido Dictionary
覚える
おぼ える 3 【覚える 】(動 ア 下一 )《文 ヤ下二 おぼ ゆ 》〔「おもほゆ 」が 「おぼほゆ 」を経て転じた語 〕① 記憶にとどめて忘れないでいる 。頭に入れる 。記憶する 。 ↔忘れる 。 「英語の単語を ―える 」「全員の名前と顔を ―える 」「あの日のことははっきりと ―えている 」「みんなに言いふらしてやるから ―えていろ 」② 技術を身につける 。習得する 。「教習所に通って運転を ―える 」「仕事のこつを ―える 」「体で ―える 」③ 体や心で感じる 。…と感じる 。…と思われる 。「…をおぼえる 」の形で用いる 。「するどい痛みを ―えた 」「心の安らぎを ―える 」「満足を ―える 」形容詞の連用形や助詞 「と 」などを受けて用いる 。「都のいと恋しう ―えければ 」〈古今和歌集 羇旅詞 〉「女のまだ世経ずと ―えたるが 」〈伊勢物語 120 〉④ 他人からそう思われる 。「恥づかしきものと ―え給へる弁の少将の君 」〈落窪物語 1 〉⑤ 意識が働く 。判断がつく 。わかる 。「射殺されなましと思ひけるに ,物も ―えず臆して 」〈宇治拾遺物語 3 〉「帰るべき方も ―えず涙川 」〈後撰和歌集 恋四 〉⑥ 思い出す 。「言の葉に絶えせぬ露は置くらむや昔 ―ゆるまどゐしたれば 」〈後撰和歌集 雑一 〉「いで ―え給へ 」〈大鏡 序 〉⑦ 似る 。「御かたち有様 ,あやしきまでぞ ―え給へる 」〈源氏物語 桐壺 〉