Sanseido Dictionary
観念
かんねん くわん ― 1 【観念 】(名 )スル ① 物事について抱く考えや意識 。「彼とは義務の ―が違っている 」「経済 ―に欠ける 」「時間の ―がない 」「固定 ―」② あきらめること 。覚悟すること 。「もうだめだと ―した 」③ 〘哲 〙〔 idea 〕主観としての人間の意識内容 。思考の対象となる心的形象 。表象 。心理学では具体的な映像 心像を伴わないものをいう 。 →イデア ④ 〘仏 〙 仏教の瞑想法の一 。精神を集中し ,仏や浄土の姿 ,仏教の真理などを心に思い描き ,思念すること 。「一心に極楽を ―するに他の思ひ出来れば 」〈今昔物語集 15 〉〔(1 )「華厳経 」で ④ の意で用いられた語 。その後西周 (にしあまね )が 「生性発蘊 」(1873年 )で英語 idea やフランス語 idée の訳語とした 。(2 )類義の語に 「概念 」があるが ,「概念 」は同一の性質を持つ事物に共通する ,言葉で表された意味内容の意を表す 。それに対して 「観念 」はある物事を意識したり思考したりしたときの ,主観的な意識内容を表す 〕