Sanseido Dictionary
走る
はし る 2 【走る 】(動 ラ 五 [四 ])① 人や動物が足をはやく動かして ,すみやかに前へ進む 。かける 。「廊下を ―ってはいけない 」「全速力で ―る 」「犬が ―ってくる 」② 乗り物が進む 。走行する 。「高速道路を ―るバス 」「電車が ―る 」③ 急いで行く 。早く行く 。「現場へ ―る 」「使いに ―る 」④ (戦いに破れて )逃げる 。敗走する 。「西国へ ―る 」⑤ (「奔る 」とも書く )(主人や親もとから )逃亡する 。逃げて姿をくらます 。出奔する 。「若い女のもとへ ―る 」「敵国側へ ―る 」⑥ (「趨る 」とも書く 。「…に走る 」の形で )ある方向に強くかたむく 。「悪事に ―る 」「とかく感情に ―りやすい 」「何事も極端に ―るきらいがある 」⑦ はやく移動する 。「夜空に稲妻が ―る 」⑧ ある感覚や感情が瞬間的にあらわれて消える 。「肩にするどい痛みが ―った 」「顔に不安の影が ―る 」「むしずが ―る 」⑨ よどみなくスムーズに動く 。「筆を ―らせる 」「ペンが ―りすぎて物議をかもす 」「今日のピッチャーは球 (たま )がよく ―る 」⑩ 道などがある場所を貫く 。通る 。「町の中央を大通りが東西に ―る 」「国境を南北に ―る山脈 」⑪ 液体がはげしく動く 。水などがはやい速度で流れる 。「石の上に ―りかかる水は 」〈伊勢物語 87 〉 →たばしる →石 (いわ )ばしる 水などが勢いよく飛びはねる 。「水の …人などの歩むに ―りあがりたる 」〈枕草子 223 〉液体が勢いよくとび散る 。ほとばしる 。「血 ―りてとどまるべくもなし 」〈宇治拾遺物語 2 〉「細長を …うちふるひければ水は ―りて乾きたり 」〈宇治拾遺物語 7 〉⑫ (「胸走る 」の形で )不安や悲しみで胸の鼓動が激しく打つ 。胸がどきどきする 。「胸つぶつぶと ―るに 」〈蜻蛉日記 中 〉可能 はしれる 慣用 悪事千里を ―
走る
わし る 【走 る ・奔 る 】(動 ラ 四 )① はしる 。「あまりに極端なる空理に ―りて 」〈小説神髄 逍遥 〉② あくせくする 。あせる 。「身を知り世を知れれば ,願はず ―らず 」〈方丈記 〉③ 金利を稼ぐ 。「必ず大銀を ―るとて大仰なる事取組み 」〈浮世草子 好色敗毒散 〉