Sanseido Dictionary
退く
しぞ く 【退 く 】(動 カ 四 )しりぞく 。「かたはら痛ければ ,知らず顔にてやをら ―きぬるぞ 」〈源氏物語 宿木 〉
退く
しりぞ く 3 【退く 】一 (動 カ 五 [四 ])〔「後 (しり )退 (そ )く 」の意 〕① 現在の位置からうしろへ移動する 。うしろへさがる 。後退する 。 ↔進む 。 「二 ,三歩 ―く 」② 貴人の前から退出する 。「御前を ―く 」「(禄ヲ )肩に懸けて ,拝して ―く 」〈徒然草 66 〉③ 引退する 。公職や会社などから身を引く 。「政界から ―く 」「現役を ―く 」④ 距離をおく 。「一歩 ―いて考える 」⑤ へりくだる 。「―きて咎なしとこそ昔賢しき人も言ひ置きけれ 」〈源氏物語 明石 〉〔「退ける 」に対する自動詞 〕可能 しりぞける 二 (動 カ 下二 ) →しりぞける
退く
そ く 【退 く 】一 (動 カ 四 )離れる 。遠ざかる 。「大和へに西風吹き上げて雲離れ ―き居りとも我忘れめや 」〈古事記 下 〉二 (動 カ 下二 )離す 。しりぞける 。とりさる 。「夏草の刈り ―くれども生ひしくごとし 」〈万葉集 2769 〉
退く
ど く 0 【退 く 】一 (動 カ 五 [四 ])〔「のく 」の転 。近世以降の語 〕その場所からわきへ移る 。「わきに ―いてください 」可能 どける 二 (動 カ 下二 ) →どける
退く
の く 0 【退 く 】一 (動 カ 五 [四 ])① わきへ移る 。どく 。「車が来たのでわきへ ―く 」「雀の子そこ ―けそこ ―けお馬が通る 」〈おらが春 〉② 引き払う 。立ちのく 。どく 。「銭湯が ―いたあとに商店ができた 」③ 脱退する 。「会を ―く 」「仲間ヲ ―ク 」〈和英語林集成 〉④ 離れた場所にある ,または ,いる 。距離を置く 。「いと遥かに見やり参らせて ,―きてなむ車ども引き立てたるに 」〈栄花物語 嶺の月 〉「居給ふべき所と見ゆるは ,寺よりは少し ―きてぞありける 」〈狭衣物語 4 〉⑤ 退却する 。「しばしもこらへず ,二町ばかりざつと引いてぞ ―きにける 」〈平家物語 11 〉⑥ ある地位からしりぞく 。「ひたぶるに取られむよりは ,我とや ―きなまし 」〈大鏡 師尹 〉⑦ 関係が疎遠になる 。縁が切れる 。「思ひも譲りつべく ,―く心地し給へど 」〈源氏物語 浮舟 〉〔「のける 」に対する自動詞 〕可能 のける 二 (動 カ 下二 ) →のける