Sanseido Dictionary
開く
あ く 0 【開く ・空く ・明く 】一 (動 カ 五 [四 ])一 自動詞 ① 出入り口や容器の口などを閉ざしていた物が動いて ,人や物の通り道ができる 。ひらく 。《開 》 ↔しまる ・とじる 。 「ドアが ―く 」「ふたが固くて ―かない 」② 戸にかけられていた錠がはずれる 。「いくらやってもかぎが ―かない 」③ 商店の営業や興業が始まる 。ひらく 。《開 》 ↔しまる ・とじる 。 「デパートは朝一〇時に ―く 」「初日が ―く 」④ 中身が消費されて容器がからになる 。《空 》 ↔みたす 。 「グラスが ―く 」⑤ 部屋 建物 土地 座席などを占めていた人や物がなくなり ,空間や余地ができる 。《空 ・明 》「この会議室は三時まで ―かない 」「この部屋は三月末には ―きます 」「混んでいて ―いた席が見つからない 」⑥ 穴 空間 間隔などが生ずる 。《空 ・明 》「道路に穴が ―いた 」「電車とホームの間が広く ―いている 」「間隔が ―かないように並ぶこと 」「行間が ―き過ぎている 」⑦ 欠員が生ずる 。《空 ・明 》「教授のポストが ―く 」⑧ 使用中だった物が ,用が済んで使われなくなる 。《空 ・明 》「その電卓 ,―いたら貸して下さい 」⑨ 仕事が終わってひまになる 。手がすく 。《空 ・明 》「私は今日は夕方五時に体が ―きます 」「手の ―いている人は手伝ってください 」⑩ ある状態の期間が終わって ,別の状態に移る 。「喪 (も )が ―く 」「今日は私の年季 (ねん )が ―きまするか 」〈うつせみ 一葉 〉 ⑤~⑨ ↔ふさがる 二 他動詞 (自分の目や口を )あける 。ひらく 。「口を ―く 」二 (動 カ 下二 ) →あける 慣用 穴が ―手が ―蓋 (ふた )が ―幕が ―埒 (らち )が ―
開く
はだ く 【開 く 】(動 カ 下二 )〔「はたく 」とも 〕 →はだける
開く
ひら く 2 【開く 】一 (動 カ 五 [四 ])一 自動詞 ① さえぎっていた物が移動して ,そこを通ったり見通したりできるようになる 。 ↔しまる ・とじる 。 「風で戸が ―く 」「窓が ―いて子供が顔を出す 」② 閉じているものが ,一点を支点として広がる 。 ↔とじる 。 「傘が ―かない 」③ 先の方が広がる 。 ↔とじる 。 「裾 (すそ )の ―いたズボン 」④ つぼみの状態だった花が咲く 。「桜の花が ―く 」⑤ 隔たりが大きくなる 。「差が ―く 」「年の ―いた兄弟 」⑥ 体を引く 。体を引いて構える 。また ,身をかわす 。「体を ―く 」「相手の刃物を押へんと前にふさがり後に ―き 」〈浄瑠璃 博多小女郎波枕 中 〉⑦ (戦陣 慶事などでの忌み詞として )退散する 。解散する 。閉会する 。お開きにする 。「いづ方へも御 ―き候べし 」〈保元物語 中 古活字本 〉去る 。「十箇年以前に鈴鹿山を ―いた御方が御座るが 」〈狂言 岩太郎 三百番集本 〉二 他動詞 ① さえぎっていた物を移動させて ,そこを通ったり見通したりできるようにする 。あける 。 ↔しめる ・とじる 。 「扉を ―く 」「窓を ―く 」「外国に対して門戸 (もんこ )を ―く 」 →ひらかれた ② 閉じているものを ,一点を支点として広げる 。 ↔とじる 。 「扇子 (せんす )を ―く 」「教科書の三〇ページを ―きなさい 」③ 口や目をあける 。 ↔とじる 人や動物が自分の口や目をあける 。「大きく口を ―く 」「私が 『はい 』と言ったら目を ―いて下さい 」(「口を開く 」の形で )話し始める 。「最初に口を ―いた人 」(「目を開く 」の形で )関心 興味を抱くようにする 。「先生が仏教美術について私の目を ―いてくれた 」④ 袋状 箱状のものや紙 布などで包まれていたものを ,あけて中身を出す 。「風呂敷包みを ―く 」⑤ (「披く 」「展く 」とも書く )たたんであるものやはってあるものを広げる 。「手紙を ―く 」⑥ (「花を開く 」の形で )花が咲く 。「つつじは五月の中ごろ花を ―く 」⑦ 開店する 。業務を始める 。 ↔しめる ・とじる 店 事務所などがその日の営業 業務を始める 。開店する 。あける 。「毎朝九時に店を ―く 」店 事務所などを作って業務を始める 。開店する 。また ,預金の口座を設ける 。「駅前に喫茶店を ―いた 」「銀行に口座を ―く 」⑧ 会を催す 。開催する 。「個展を ―く 」「同窓会を ―く 」⑨ (「拓く 」とも書く )土地に手を加えて ,人間生活により便利なようにする 。新たに道を作る 。比喩的にも用いる 。「ジャングルに道を ―く 」「血路を ―く 」「物理学発展の道を ―く 」荒れた土地に手を加えて農耕や住居に適したものにする 。開墾する 。開拓する 。「原野を ―く 」「この町は屯田兵が ―いた 」⑩ 新たに物事を興す 。創業する 。また ,新しい流派を樹立する 。「源頼朝は鎌倉に幕府を ―いた 」「真言宗を ―いた空海 」⑪ 自分の考え ,心の内面を他人に見せる 。 ↔とじる 。 「よそ者にはなかなか心を ―かない 」⑫ (「啓く 」とも書く )暗愚を解消する 。「蒙 (もう )を ―く 」「悟りを ―く 」⑬ 〘数 〙平方根 立方根などを求める 。「平方に ―く 」括弧の付いた式を括弧のない形に変える 。「 a ( x + b )の括弧を ―くと a x + a b となる 」⑭ 木版印刷で ,開版する 。出版する 。「版を ―く 」〔本来は 「開ける 」に対する他動詞 〕可能 ひらける 二 (動 カ 下二 ) →ひらける 慣用 胸襟 (きようきん )を ―小間物屋を ―愁眉 (しゆうび )を ―眉 (まゆ )を ―