Sanseido Dictionary
開ける
はだ ける 3 0 【開 ける 】(動 カ 下一 )《文 カ下二 はだ く 》〔「はたける 」とも 〕① 衣服の襟元 裾などを広げる 。「着物の前を ―ける 」② 手足や目 口などを大きく開く 。「声をいださんとて口を ―けるひまに 」〈仮名草子 伊曽保物語 〉
開ける
ひら ける 3 【開ける 】(動 カ 下一 )《文 カ下二 ひら く 》① 前方にさえぎる物がなく ,広く遠くまで見わたせる 。「視界が ―ける 」「南側が ―けた家 」「あめつちの ―けはじまりける時より 」〈古今和歌集 仮名序 〉② (比喩的に )前進するのにじゃまなものがなくなる 。「解決への道が ―ける 」「社の将来が ―けてきた 」③ (「運が開ける 」の形で )よい状態に向かう 。運が向く 。「運が ―けてくる 」④ 多くの人が住みついてにぎやかになる 。「古くから ―けた港町 」⑤ 文化 文明がそこで進展する 。また ,人の考えが進歩する 。開化する 。「古くから文明が ―けた地域 」「世の中が ―けて迷信を信じる人が減る 」「今は学問が ―けたから ,そんな事を考へるものは ,もう一人もなくなつちまつた 」〈明暗 漱石 〉⑥ 人情に通じ ,物分かりが良い 。「あの人は取っつきは悪いが案外 ―けている 」⑦ 道路 鉄道などが通じる 。「近来汽車が ―けたから 」〈戸隠山紀行 美妙 〉⑧ 花が咲く 。「とく ―けたる桜の色もいと面白ければ 」〈源氏物語 乙女 〉⑨ 心にわだかまりがなく晴れ晴れとする 。「ひさかたの月夜を清み梅の花心 ―けて我 (あ )が思へる君 」〈万葉集 1661 〉〔「開く 」に対する自動詞 〕