せめて
せめて 1 (副 )一 それで満足というわけではないが ,最小限これだけでもという話し手の気持ちを表す 。少なくとも 。「―姿だけでも見たいものだ 」「―入賞くらいはしたい 」二 ① しいて 。痛切に 。「いと ―恋しき時は 」〈古今和歌集 恋二 〉② しきりに 。また ,熱心に 。「人やあるともおぼしたらで ,―弾き給ふを 」〈大鏡 昔物語 〉③ なおも続けて 。「世の中いとわづらはしく ,はしたなき事のみまされば ,―知らず顔にあり経ても 」〈源氏物語 須磨 〉④ 非常に 。たいへん 。「このことの ―あはれに悲しう侍りしかば 」〈大鏡 時平 〉⑤ せいぜい 。たかだか 。「鹿を狩り ,鷹を使ふことは ,―世俗のわざなれば ,言ふに足らず 」〈太平記 20 〉〔動詞 「責める 」の連用形に助詞 「て 」の付いた語 。本来相手に心理的に詰め寄るさま ,対象が自分の心に迫るさまを表し 2 ① ② が原義 。のち程度を表す用法 2 ④ でも用いられ ,希望の表現を伴って 1 の用法が生じた 〕
せめて 〖少なくとも 〗at least ; 〖…だけ 〗just ; 〖多くて …〗not more than ….▸ 彼はせめて電話くらいよこしてもよさそうなものだ He might at least (tele )phone me .▸ 彼が苦しまずに死んだのがせめてもの慰めだった It was at least a consolation that he died without suffering .▸ せめてそのくらいしたっていいじゃないか It's the least you can do .▸ せめてもう10分待ってくれませんか Can't you wait just ten more minutes [⦅まれ ⦆ ten minutes more ]?▸ それが私のせめてもの ⦅唯一の ⦆慰めです That is my only comfort [sole consolation ].